なぜ電車からガタンゴトンの音が消えた?レール継ぎ目が静かになった理由とは
どうも、こんにちは。
ハスキです。
神奈川県から、東京都内に電車で通勤しています。
満員電車で体力を消耗しながら。
ガタンゴトンと、揺られながら。
ガタンゴトン、と・・・・・・ん?
![筆者](https://enhasky.com/wp-content/uploads/2022/12/cropped-IMG_2651.png)
そういえば、ガタンゴトンの音がしないぞ?
ホームで電車を待っているときも、静かにスーっと電車が入ってきます。
電車の音と言えば、「ガタンゴトン」だったはず・・・。
線路沿いでうるさかった、電車らしいあの音。
一定のリズムで鳴っていた、あの「ガタンゴトン」の音。
今でも場所によっては聞きますが、圧倒的に少なくなっています。
なぜだ?
これは気になるぞ。
と言うことで電車のレール継ぎ目の音、「ガタンゴトン」が消えた理由をシェアしたいと思います。
電車のレールから「ガタンゴトン」と鳴る理由
![駅ホームの線路 画像](https://enhasky.com/wp-content/uploads/2020/02/bac7287756c831063c37c3a286685605.jpg)
まず、あのガタンゴトンの音。
どうして、あの音が鳴るのか。
まあ、単純明快ですね。
レールとレールの継ぎ目に、隙間があるため。
レールの隙間を車輪が通るたび、「ガタンゴトン」と音が鳴ります。
ではなぜ、レールとレールをくっつけないで隙間を開けているのか。
レールが鉄製で、気温差によって膨張するためです。
レールに隙間がないと暑い日に伸びてレール同士がつかえてしまい、押し合って曲がってしまうからです。
鉄は、温度で体積(長さ)が変化します。
鉄の精製方法によって、変形する(伸びる)方向が決まります。
レールの場合は、両端に向かって伸び縮みします。
レールが高温になると伸びるため、間に隙間をつくる必要がありました。
1本のレールの長さと電車1両の長さ
レールには、長さの規格が存在します。
”定尺レール”と呼ばれる規格があり、基準の長さが25mと決まっています。
そしてレールを通る電車一両の長さは20m。
電車と定尺レールがほぼ同じ長さのため、電車1両が通るたびに「ガタンゴトン」の音が1回鳴っていました。
レールの長さが決まっていたので、「ガタンゴトン」の速さで電車のスピードもわかりました。
「ガタンゴトン」が消えて電車が静かになった理由とは
![山手線を走る電車](https://enhasky.com/wp-content/uploads/2019/06/666aced7d4025696737d41302031b62e.jpg)
技術の進歩により、レールも進化しました。
我々の知らないところで、技術革新は起きていたのです。
定尺レールから長尺レール、ロングレール、スーパーロングレールへ変わった
レールの継ぎ目には、隙間を開けておく必要がある。
ならば今でも、「ガタンゴトン」の音が鳴るはずですよね。
「ガタンゴトン」が鳴らないってことは、レール継ぎ目に隙間がないのか?
そう。
レールの繋ぎ目が、なくなりました。
現在のレールは驚くほど長く、極力1本にしています。
レールの長さと呼び名は、下記の通り。
25m | 定尺レール |
25m以上〜200m以下 | 長尺レール |
200以上 | ロングレール |
東海道新幹線には、63.4kmが1本の”スーパーロングレール”まで存在します。
定尺レールは過去の話しで、現在ではロングレールの時代なのです。
ロングレールはどうやって運搬するのか?
ロングレールは、継ぎ目を溶接して設置することがほとんどです。
200mのレールは溶接する以外に、貨物列車でそのまま運搬もします。
そんな長いレールを、カーブはどうやって運搬するのか。
カーブは、レールを曲げて運搬します。
硬いイメージがある鉄ですが、結構簡単に曲がります。
暑さでレールが伸びる問題について
レールを長くして、継ぎ目をなくしていることはわかりました。
いや、ちょっと待って。
夏の暑さで、レールが膨張する問題はどうなった?
そのために、レールの間に隙間を開けていたのですから。
このレール膨張問題は、鉄道技術者がある事実を発見して解決しました。
”伸びるのはレールの端のみで、レールの長さと伸びる長さは比例しない”。
そのため長いロングレールやスーパーロングレールでも、熱膨張で問題が起きないことがわかったのです。
さらに現代ではロングレール同士の継ぎ目も、音が出にくい構造になっています。
レールが伸びても、繋ぐレール同士が隣接し続ける”伸縮継目”という方式。
片方のレールを先端に向かって徐々に薄くして内側に、もう片方のレールは外側に曲げて伸びる部分を外側に逃した継ぎ目の方法です。
音は出ますが従来に比べて、非常に小さい音となりました。
まとめ
鉄道技術者の研究によって、「ガタンゴトン」の音はなくなっていました。
線路がうるさかった時代は、昔話しとなったわけです。
まだうるさい箇所もあるが、いずれ無くなることでしょう。
電車の音=「ガタンゴトン」と言っても、通じない時代が来そうですね。
もうすでに、子どもには通じないかも。
この記事が、参考になれば幸いです。
では、また。