神奈川県川崎市に、急速に発展を遂げた街があります。
その名は武蔵小杉。
タワーマンションが複数建ち並ぶ、急激に人口が増加したハンパない街です。
しかし武蔵小杉には、ひとつ大きな問題があります。
水害問題です。
実は武蔵小杉は、標高が低いのです。
2019年10月に襲った台風19号では、武蔵小杉エリアの道路が大雨で川と化してしまいました。
そのときの台風では、幸い多摩川の氾濫が武蔵小杉エリアまで及ぶことはありませんでした。
もし武蔵小杉近くの多摩川が決壊していたら、壊滅的な被害になっていたでしょう。
人口が集中する新たなベッドタウンで、決して起きてはならない事です。
今回は武蔵小杉の土地が低い問題について、深堀りして調べてみました。
武蔵小杉エリアの水害、洪水問題について

都心に近く、便利なベッドタウンとして注目される武蔵小杉。
非常に便利な立地です。
武蔵小杉エリアは近年急速に発展し、爆発的に人口が増加しました。
人口が集中した街で災害が発生すれば、被害にあう人も必然的に増えてしまいます。
武蔵小杉に起こる災害とは、主に何を指すのか。
水害です。
なぜ武蔵小杉エリアは、水害が恐れられているのか。
その原因は多摩川からの距離と、土地の低さが関係しています。
武蔵小杉の海抜
まず土地の低さについて。
武蔵小杉駅の海抜は、たった8mしかありません。
平地のため武蔵小杉周辺地区は、ほぼ同じ数値の8m。
多摩川を渡った先の隣町の駅、東京都世田谷区の田園調布駅の海抜はどうでしょうか。
田園調布駅の海抜は、なんと32.5m。
隣町と比較しても、武蔵小杉エリアの土地はこれだけ低いのです。
武蔵小杉と多摩川の関係
武蔵小杉は、多摩川に接した街です。
もちろん堤防はありますが、その堤防の高さはどうでしょうか。
武蔵小杉周辺の多摩川堤防の高さは、海抜8.5〜10mです。
つまり
武蔵小杉エリアは、多摩川の堤防とほぼ同じ高さの標高となります。
さらに川を挟んだ東京側のほうが、高台になっている地形。
つまり多摩川が氾濫や越水する事態となれば、武蔵小杉側に被害が集中することになります。
続いて武蔵小杉エリアから、海までの距離と多摩川までの距離について。
海までの直線距離は、一番近い海で10km以上離れた東京湾。
海の影響は、まったく心配ありません。
問題は多摩川です。
武蔵小杉駅と多摩川が一番近いことろは、直線距離で1kmしかありません。
多摩川が武蔵小杉エリアで氾濫してしまったら、被害は免れ(まぬがれ)られないでしょう。
武蔵小杉エリアの水害対策は何があるのか?

土地の低い武蔵小杉エリア。
水害に対する対策とは、何があるのでしょうか。
土地の低さは、どうしようもありません。
多摩川堤防の強化も、個人では不可能です。
水害対策の方法は、被害を想定した準備をしておくことのみです。
まずは被害を想定します。
多摩川洪水氾濫シュミレーションのサイトで水害発生時の予測ができる
多摩川が氾濫した場合のシュミレーションが出来る、わかりやすいWebサイトがあります。
京浜河川事務所が運営する、【多摩川洪水氾濫シュミレーション】というサイトです。
多摩川のあらゆる場所で決壊が発生した想定を選択でき、被害予想がわかります。
様々なシュミレーションの選択も可能です。
- 最大浸水深さ
- 浸水到達時間
- 浸水継続時間
- 時間別浸水深さ
これらを調べることができます。
武蔵小杉周辺に限らず、多摩川沿いの至るところが確認可能な便利なサイトです。
防災の準備を怠らないこと
土地の低さは変えることができませんので、水害に対しては覚悟をしておくしかありません。
防災準備が必須ということです。
マンションの高層階や中層階は、床上浸水の心配はまずないでしょう。
しかし問題は、浸水だけではありません。
インフラが麻痺してしてしまうと、タワーマンション上層階は地獄です。
電気が止まればエレベーターはもちろん、水も止まってしまいます。
タワーマンションには自家発電装置がありますので、停電の可能性は本来低い想定です。
しかし自家発電装置が浸水して故障してしまったら、どうしようもありません。
実際に2019年の台風で起こった事実です。
どんなに立派な設備を誇るタワーマンションだとしても、停電を想定した防災準備を常にしておく必要があるとの教訓です。
数日間は、電気がなくても乗り切れる準備をしておきましょう。
まとめ

多摩川は、過去に何度も水害が発生している川です。
ですが現代は、あらゆる被害がを想定した対策がとられています。
そのおかげで、大きな水害が発生することは暫くありませんでした。
河川の幅も広く多摩川が氾濫することなんて、まず考えられませんでした。
しかし2019年に、予想を上回る災害が起きてしまいました。
大型台風19号による洪水被害です。
インフラが麻痺してしてしまえば、低い土地のタワーマンションは無力です。
現実に、そんな被害が起こってしまったのです。
2019年の台風19号は、数十年に一度の規模と言われています。
しかし地球温暖化で数十年に一度クラスの台風が、頻繁に発生する可能性は十分に考えられます。
街を上げた大規模な水害対策を、川崎市は早急に行うべきだと思います。
水害の問題さえクリア出来れば、これほど完璧な立地のベッドタウンはありません。
武蔵小杉の立地条件は完璧です。
日本一便利なベットタウンかもしれません。
問題は水害対策です。
災害は、絶対に起こるつもりで準備しておくべき。
それが防災です。
個人で可能な対策準備を万全にして、万が一の事態に備えておきましょう。
土地の低さは、変えられないのですから。
いつ起こるかわからない自然災害。近年の地球温暖化で、大型台風も頻繁に起こることも予想されます。近年の台風は100年に1度と言われるような大型台風ですが、この規模の台風が毎年のように発生しても決して不思議ではないことです。[…]